日商簿記2級は「仕事に役立つコスパの良い資格」として、このサイトで私が一押ししています。
特に以下のようなケースで、簿記2級をめざすことをおすすめしています。
- 仕事で忙しい社会人の人が副業または転職をする
- 家事・育児に追われる主婦の人などが少しでも収入を得る
- 外で働けない事情のある人が、在宅で少しでも収入を得る
日商簿記2級は簡単な資格ではなく、合格までにはまとまった勉強時間が必要です。
ですが、勉強時間を確保してしっかり勉強すれば、多くの人が合格しやすい資格ともいえます。
超難関資格だと、勉強時間をかけても合格できないことは普通にあります。
この記事では、仕事、家事、育児などで忙しい人が簿記2級に合格するためにはどのくらいの勉強時間が必要か、どのような勉強スケジュールになるのか、そして効率的に合格するための勉強方法を紹介します。
勉強中は余暇時間が減るのでキツイですよね…
相原まりこです。
勉強開始後半年で、日商簿記1級一発合格。その後公認会計士試験、さらにFP技能士2級に合格。
監査法人および会計事務所で実務経験を積み、現在は簿記資格を活かして在宅ワークをしています。
詳しくは運営者情報をご覧いただけると嬉しいです。
簿記2級合格までの勉強時間の目安
簿記2級合格までの一般的な勉強時間は、一般的に300~500時間といわれています。
しかし合格までの勉強時間は、特に以下の状況によって大きく異なります。
- 簿記3級を取得済みかどうか
- 独学で勉強するか、有料の講座でカリキュラムに沿った勉強をするか
簿記3級と2級の合格をめざす初心者の人の場合、例えば大手である「資格の学校TAC」のカリキュラム概要は以下のとおりです。
標準学習期間 | 3・2級ステップ合格本科生の標準学習期間は8カ月 |
講義時間概要 | 【3級】講義2時間30分全10回、テクニック講義2時間45分全2回、まとめ講義2時間30分全2回、答案練習2時間30分全3回。 【2級】講義2時間45分全30回、テクニック講義・まとめ講義・答案練習合わせて2時間45分が12回。 |
講義時間合計 | 単純計算で158時間30分の時間がカリキュラム消費に必要。 |
3級と2級はどのように受験するか | 3級の試験を合格(または受けた)後に2級合格を目指す |
大手の学校は確実な合格を目指しており、講義時間は比較的長めではあるかと思います。
ちなみに「非常識合格法」として効率的な学習法が売りの「クレアール」のカリキュラム概要は以下のとおりです。
標準学習期間 | 3・2級マスターは特に標準学習期間の設定はなし |
講義時間概要 | 【3級】講義63単元(1単元40分程度で計42時間程度) 【2級】講義113単元(商業簿記計31時間程度、工業簿記計29時間程度) 【答案練習】3・2級答案練習それぞれ4回計8回 |
講義時間合計 | インプットの講義だけで102時間程度の時間がカリキュラム消費に必要。 答案練習の時間の明記はないが、3級2時間30分、2級2時間45分とすると、講義合わせて単純計算で約123時間がカリキュラム消費に必要。 |
3級と2級はどのように受験するか | 特に記載はないが、3・2級同時受験を想定しているカリキュラム |
資格の学校TACのカリキュラムよりは時間は短くなっていますが、それでもまとまった時間は必要となります。
そして、講義を聞いた上で、各自勉強をする必要があります。
初心者は学校を利用しても、最低でも300時間はかかると考えてよいのではないでしょうか。
独学の場合はさらに時間がかかることが想定されます。
私は、独学はおすすめしていません。
社会人や主婦におすすめの勉強スケジュール
多忙な人が勉強をするには、授業日が決まっている通学の講座よりも、自分のペースで勉強ができる通信講座がおすすめです。
詳しくは以下の記事「効率的に合格したい人」の項目をぜひご覧ください。
時間がないからこそ、毎日少しずつコツコツと勉強を進めることが大切。
例えばクレアールの講義だと1講義40分程度が176回です。
もし半年後に合格を目指しているなら、最後の1か月は自分で問題を解く期間として残すとして、1か月35講義、1週間だと8~9講義をこなす必要があります。
効率的に合格するためには、できれば集中して勉強することが望ましいです。
このため、週に4回は2講義合計約80分を聞いていき、週末などで自習していくスケジュールだと、早めに確実に合格できるのではないでしょうか。
仕事が終わった後や子供が寝た後の時間にこの勉強量をこなすのは、それなりに大変だと思います。
軽い気持ちではなく、覚悟をもって勉強を始めましょう!
ちなみに私は学生の頃受験をし、約3カ月で簿記3級2級を同時に合格しました。
速習コースだったので、夕方3時間、週に4~5回程度はみっちり講義でした。
長い講義を毎日受けるのは大変。受験仲間の中には、途中で嫌になり講義に来なくなる人も……。
しかし最後まで講義と答案練習をこなした、私の親しい仲間のグループ7人は全員合格しました。
簿記2級は、しっかり勉強時間を確保すればだいたいは受かる試験です。
なるべく時間をかけたくない | 社会人や主婦におすすめの勉強方法6選
勉強時間が多くとれない社会人や主婦などの人が、効率的に合格する方法を模索することもあるかと思います。
しかし「勉強時間を少なくして簡単に合格する方法はない」というのが私の考えです。
ただし合格までに無駄な時間をかけないようにすることは大切です。
ここでは、社会人の人などが勉強をするにあたり、合格までに大切となる事項を6点紹介します。
- 通信講座で隙間時間を活用する
- 問題を解くときはまとまった時間を確保し、タイマーを活用して集中する
- モチベーションを維持する
- 勉強方法に迷ったら学校の講師へ相談する
- 休まずにまとめて勉強する
- 教材、問題集は基礎的なものを繰り返す(手を広げすぎない)
通信講座で隙間時間を活用する
簿記2級を独学で勉強するのは「厳しいかつ非効率である」というのが私の考えです。
時間のない人には、隙間時間を活用して、通信講座で講義の視聴を進めることがおすすめです。
再掲になりますが、通信講座のおすすめは、下記の記事「効率的に合格したい人」の項目で詳しく紹介しています。
問題を解くときはまとまった時間を確保し、タイマーを活用して集中する
講義を視聴した後は、実際に問題を解く練習が必要です。
ここの段階では、なるべくまとまった時間を確保して、タイマーを活用しながら集中しておこなうことがおすすめです。
特に答案練習では、本番を受けている気持ちで、時間内にしっかり解き終えられるようにしましょう。
私は簿記検定から始まり、公認会計士試験合格まで、長い受験生活を送ってきました。
伸び悩むときも多かったのですが「タイマーを利用して集中して解く」ことを始めた時から、かなり成績が好転しました。
当たり前のように思いますが、集中力があればグッと合格が近づきます。
モチベーションを維持する
集中力が大事なことはわかるけど、そう簡単にはいかないですよね。今の私はそんな感じです。
私が受験時代に集中力をアップできた原因を考えてみると、以下のふたつでした。
- 合格後の自分を想像する
- 憧れの人に追いつきたい気持ちを持つ
合格後「稼ぐ」自分を想像し、ここで踏ん張れば収入が得られる、という思いをもって頑張りました。
また、先に合格した先輩に憧れていました。その人のようになりたい!そんなことも大きな原動力になりました。
「やる気スイッチ」は人によって異なるかとは思いますが、社会人や主婦、外で働けない人などは、いずれ「稼ぐ」ことを夢見て勉強をしているのではないかと思います。
稼いでいる将来を想像しながら、モチベーションを維持できれば、集中して勉強ができるのではないか……と考えます。
勉強期間が長くなるほど、モチベーションの維持は難しくなります……。
勉強方法に迷ったら学校の講師へ相談する
勉強をしていると、壁にぶち当たることもあるかと思います。
そのような時に、インターネットで体験談や勉強方法を検索してしまうのではないでしょうか。
インターネット検索は手軽に調べられるため、便利です。
しかし、状況は人それぞれ。可能であれば、自分の状況をしっかりと説明した上で、学校の講師に相談することをおすすめします。
講師は受験の専門家です。多くの生徒を見ているため、自分に合ったアドバイスがもらえる可能性が高いでしょう。
私も過去、講師に相談して得られたアドバイスで、大きく合格に近づきました。
特に社会人などの勉強時間が限られている人は、勉強をしていて分からない箇所だけでなく、勉強方法や勉強スケジュールも相談してみましょう。
模擬試験の結果を見せたら「このくらいの問題量をやって」と具体的なアドバイスがもらえました。
休まずにまとめて勉強する
社会人などの忙しい人は、まずは簿記3級を勉強してしばらく休み、落ち着いたらまた簿記2級の勉強を開始するケースもあります。
しかし、できればまとめて勉強してしまった方が効率的です。
休みを入れるとどうしても忘れてしまい、再開したときに復習に時間がかかります。
また、少しずつ1年以上かけて勉強をするスケジュールをたてる人もいるかもしれません。
しかし、勉強をするならばその期間は集中して勉強した方が、効率的に合格できます。
あくまで無理をせず「余暇」の時間を我慢して頑張りましょう。
そうは言っても、周りの人が遊んでいるとモヤモヤするんですよねぇ……
教材、問題集は基礎的なものを繰り返す(手を広げすぎない)
簿記2級の教材は数多くあり、通信講座や通学講座もたくさんあります。
どれも分かりやすくて素敵な教材に思えてしまい、いろいろなテキストに手をつけたくなる人もいるのではないでしょうか。
しかし、特に勉強時間の確保が難しい人は、いろいろなテキストに手を広げると時間もかかる上に勉強の効果が上がらないことが多いです。
さまざまな教材に手を広げて多くの問題を解くよりも、同じ教材をミスがなくなるまで何度でも解き直すことがおすすめです。
通信講座を利用している場合、その講座の教材だけで合格できるように工夫されています。そこで指定された教材をしっかりマスターしましょう。
そのためにも、講座選びは大切です。安易に決めずに納得のいくものを選択しましょう。
多くの受験生が間違えない問題を、自分もすべて間違えずに正答すれば、かならず合格できます。
簿記3級だけでは稼げない?簿記1級まで必要?
簿記決定を何級まで取得したらよいか迷っている人もいるのではないでしょうか。
私は3級、2級、1級すべて取得しました。
このサイトでは、簿記検定を活かして少しでも「稼ぐ」ことを目的としています。その観点から、それぞれの級が仕事につながる可能性を紹介します。
簿記3級だけではあまり稼げない
簿記3級の試験内容は、商業簿記だけです。勉強すると、基本的な「仕訳」がわかります。
簿記2級と比較すると難易度は低く、勉強時間も最短50時間程度で合格できる可能性があります。
勉強は決して無駄にはなりませんが「簿記3級」だけを取得して就職・転職をしたり、副業で新たな仕事を得たりするのは難しいと考えたほうがよいでしょう。
「簿記2級」が求められている求人は多くありますが「簿記3級」はほぼありません。
「簿記3級」で仕事を得るというよりは、たとえば自分の帳簿付けに役立てる、家計の状況を複式簿記で考えるといったことで活用できます。
仕事を得るには、3級は2級を受けるための通過点と考えた方がよいでしょう。
簿記1級まで必要なケースは限られる
簿記1級は、簿記2級と比較してかなり難易度が上がり、一般的に1,000時間程度の勉強時間が必要ともいわれています。
私の感覚でも簿記1級になると格段に難しく、勉強量を積んだとしても合格できないケースも出てくる試験です。
このため、合格すれば、就職や転職、在宅ワークで稼ぐのに有利になることは確かです。
ですが、私が在宅ワークを探す過程で「簿記2級」が条件になっている求人はたくさん見かけるものの「簿記1級」が条件になっているものはほとんどありませんでした。
- 家事・育児に追われる主婦の人などが少しでも収入を得る
- 外で働けない事情のある人が、在宅で少しでも収入を得る
こうした目的の場合は、長い勉強時間を費やしてまで簿記1級を取得する必要性は少ないかなと感じます。
簿記1級は、就職・転職のため、社内の昇進で評価されるため、税理士試験や公認会計士試験の受験の基礎とするためなど、大きく稼いでいきたい人におすすめです。
私がいま在宅でしている記帳代行に関しては、簿記2級の知識で可能な仕事です。
簿記1級の合格までにはさらにまとまった時間を要するため、目指す場合は将来どのように活かすかをよく考えてから決断するとよいでしょう。
まとめ | 簿記2級は計画的に勉強しましょう
主に社会人などの忙しい人向けに、簿記2級の合格までにかかる勉強時間、勉強スケジュール、効率的に合格するための勉強方法などを紹介しました。
簿記2級の合格までにはどのくらいの時間がかかるのか、忙しい毎日のなかでも合格をめざせるのか、不安な人もいらっしゃるかと思います。
決して短時間で簡単に合格できる訳ではありませんが、勉強時間の目安を参考にして、勉強スケジュールをしっかりたてて、意思を強く持ちましょう。
「稼ぎたい」という気持ちは大きなモチベーションになります。
簿記2級を活かして在宅ワークをする方法を紹介した以下の記事も参考にしてみてください。