記帳代行の仕事は、私が現在メインでおこなっている仕事です。
在宅でもおこなえる仕事で、安定した収入が得られており、おすすめしたい仕事のひとつです。
この記事では、在宅での記帳代行の仕事を紹介します。
具体的には、記帳代行の仕事内容を始めとして、仕事の受注の仕方、収入の上げ方、副業でもOKか、といった記帳代行にまつわるさまざまな疑問点について、現役ワーカーが解説していきます。
私としてはめちゃくちゃおすすめの仕事なので、魅力を感じていただけたらぜひ選択肢のひとつにしてもらえたらと思います。
私はとっても満足しています。
相原まりこです。
勉強開始後半年で、日商簿記1級一発合格。その後公認会計士試験、さらにFP技能士2級に合格。
監査法人および会計事務所で実務経験を積み、現在は簿記資格を活かして在宅ワークをしています。
詳しくは運営者情報をご覧いただけると嬉しいです。
記帳代行の仕事内容と収入
記帳代行の仕事内容と、どのくらい稼げるかの目安を紹介します。
記帳代行の仕事内容
記帳代行は、一言でいえば「仕訳を会計ソフトに入力する」仕事です。
ただしそれだけではなく、記帳代行に付随した経理関係の仕事も合わせて依頼されるケースも多くあります。
例えば請求書作成やエクセルでの集計作業、給与計算などです。
このため、能力によっては仕事の幅は広がりやすい仕事といえます。
会計ソフトに入力する具体的な作業内容については、それぞれの状況によります。
私は在宅で仕事をしており、一例として私が経験した「在宅での仕事内容」を紹介します。
仕事内容 | 仕事のやり方 |
---|---|
パソコンの用意 (在宅ワークの場合) | パソコンは自分で用意するケースがほとんどですが、稀にクライアントが用意してくれます。 パソコンについては、一定レベルの性能を条件としたり、セキュリティソフトの導入を求められたりする場合があります。 |
会計ソフトの用意 | クライアントが用意してくれます。 インストール型の会計ソフトはCD-ROMを渡されてインストールします。 近年、会計ソフトのクラウド化が進み、IDとパスワードでログインするケースが多くなりました。 |
現金取引の仕訳入力 | レシートを見ながら入力します。 レシートは郵送されるケースが多いですが、近年ではスキャンデータを見ながら入力するケースも増えてきました。データはクライアントと共有できるツールを指定され、そこへアクセスして見に行く形がほとんどです。 |
預金取引の仕訳入力 | 通帳のコピーやデータを見ながら入力します。 近年、自動で金額が読み込めるケースが増えてきました。その場合でも内容と元資料を確認する必要があります。 |
その他の取引の仕訳入力 | 請求書などの元資料を見ながら、仕訳を入力します。 元資料は、スキャンされたデータを見に行くか、場合によっては郵送してもらいます。 |
連絡手段 | 基本的にはChatworkなどのツールを指定され、テキストでコミュニケーションをとります。指定があった時だけ、たまにZoomなどのオンラインで打ち合わせをします。 |
私は在宅で仕事をしているため、仕訳入力に必要な資料は「郵送」か「データがある場所にアクセスして見にいく」形で対応しています。
会計ソフトにより、入力の方法などの操作が異なります。
例えばfreee会計
このため利用者も多いのですが、簿記の知識がある人にとっては逆にfreee会計の入力は最初少し戸惑う可能性があります。それは、多くの会計ソフトでは、複式簿記の形で仕訳を入力する仕様となっているところ、freee会計は知識のない方が入力しやすい仕様であるため、他に比べると特徴的です。
実は私も最初ちょっと戸惑いました。
ただし「慣れ」の問題なので、簿記の知識があればどのような会計ソフトでも基本的に扱えます。
後から気付いたけど、freee会計でも設定により複式簿記の形式で普通に登録できました。心配無用です。
どのくらい稼げるかの目安
私が今まで見てきた求人では、時給制であることが多い印象です。
時給は1,050円程度から、1,500円から2,000円を超えることも珍しくありません。
時給1,500円の場合、10万円稼ぐためには70時間弱、週17時間程度の勤務時間になります。
状況によりますが、例えば子育て中の人が、子供が学校へ行っている間などに在宅でこなせる可能性も高いのではないでしょうか。
一方で、案件ごとに固定報酬のケースもあり、納期までにこなすことになります。
私もそうした案件を検討したことがありますが、仕訳数が提示されていても時間がどの程度かかるのか、それなりに経験した今でもやってみないことには判断がつきにくいです。
初心者は時給の方が無難ではないかと感じています。
記帳代行をするにあたり求められる能力
記帳代行は時給も少し高めです。それは専門的な知識が求められるからともいえます。
記帳代行をするにあたり求められる能力をまとめました。
- 「簿記2級」の保有
- 会計ソフトの入力経験
簿記の知識が必要ですが、3級だとほぼ需要がなく、2級の取得が最低条件と考えたほうがよいでしょう。
募集の条件で、簿記2級の保有が明記されているケースが多いです。
一方で1級まで求められていることはほぼないので、記帳代行をするためにはそこまで難易度の高い資格を目指さなくても済みます。
そして記帳代行の仕事である「仕訳の計上」ができないと困ります。
簿記の知識だけでなく、種類は問わないものの、何かしらの会計ソフトの利用経験があることが求められることが多いです。
- 会計事務所での実務経験
- 経理業務の実務経験
- 特定の会計ソフトの使用経験
- エクセルスキル
- コミュニケーション能力
実務経験は大きく優遇されます。
また仕事で使用する会計ソフトは決まっているので、そのソフトに慣れている人が優遇されるケースも多くあります。
また、記帳代行に関連した資料を作成するケースもよくあり、エクセルのスキルがあると優遇されます。
そして、コミュニケーション能力はどの職種でも求められるところです。
しかし在宅での記帳代行業務では、基本的にテキストでのコミュニケーションであることが多く、話すことが苦手な方にはやりやすい仕事です。
実は私は話すことがすごく苦手で、できれば話さずに済む仕事をしたいと思ってきました。
今の記帳代行の仕事は、電話応対も必要なく、たまにオンラインで打ち合わせをする程度です。
コミュニケーション面でも、私にはとてもやりやすい仕事です。
ただし、レスポンスを早くする、報告はきっちりおこなう、クライアントが仕事を進めやすいようにする気遣いなど、テキスト上のコミュニケーションには気を使っています。
当たり前のことを普通にやっていれば大丈夫。
記帳代行の収入を増やすコツ
記帳代行の仕事は、やり方によっては大きく収入をあげることができます。
そのコツは、周辺業務も一緒にやることで勤務時間数を増やすことです。
私は仕事を継続する中で時給が上がっていますが、同じ仕事をしている限りだと大きな昇給はなかなか難しいです。
しかしさらに専門性の高い仕事をして勤務時間を増やすと、単価も勤務時間も増えるため、収入を大きく上げられます。
記帳代行とともに依頼されやすい仕事は、以下のとおりです。
- 税務申告書類の作成補助
- 決算業務
- 請求書作成
- 経費精算
- 経理資料の作成
- 給与計算
特に税務申告書類の作成補助、決算業務、給与計算などは、簿記だけでなくさらなる専門的な知識が必要になります。
こうした仕事をするためには、勉強するだけでなく会計事務所での実務経験や、経理業務の実務経験があると、かなり優遇されます。
実務経験のある人は、記帳代行だけでなくその他の仕事も合わせて依頼している案件を探してみましょう。
応募要項には、勤務時間の目安が書いてあるため、稼ぎたい人はなるべく長い時間の案件に応募するとよいですよ。
実務経験がない場合は「記帳代行の仕事を実務未経験の人が受注するコツ」の項目をご覧ください。
私も記帳代行とともに、決算業務、申告書作成補助をしています。
記帳代行の仕事を実務未経験の人が受注するコツ
記帳代行の仕事は、多くの場合実務経験者の方が有利に受注できます。
募集要項によく記載されている条件でよく見かけるのは以下のような項目です。
- 簿記2級所有
- 〇〇会計ソフトの使用経験
- 会計事務所での実務経験
- 経理実務の実務経験
このため、実務未経験だと応募が難しいと感じてしまいがちです。
しかし、一度でも仕事をすれば「経験者」になれます。最初の一歩を勝ち取るための方法を3点紹介します。
- 会計事務所でのパートタイム勤務
- 個人的に経理ソフトを使用して実績とする
- 実務未経験者優遇の会計事務所を探す
会計事務所でのパートタイム勤務
外で働くことが可能であれば、一番手っ取り早い方法です。
地域にもよりますが、都市部であれば会計事務所の数は意外とあり、ご自宅から近い場所で勤務できる可能性があります。
また、会計事務所のパートタイム募集の数も少なくありません。インターネット検索だと、求人が見つかるかはタイミングによるため、会計専門の求人サイトを利用すると便利です。
さまざまな求人サイトがありますが、未経験の人が会計事務所の「パートタイム」を探しやすいおすすめのサイトは以下のとおりです。
求人サイトなので正社員向けが中心になりますが、パートタイムの求人も多くあります。条件検索をして探してみましょう。
パートタイム勤務の仕事は、多くが正社員の「補助的」立ち位置です。そして一番任されやすい仕事が、まさに「記帳代行」「税務申告書類作成補助」です。
ここで経験すれば、今後在宅ワークを探す際に有利となるでしょう。
もちろん正社員としてしばらく勤務する選択もあります。しかし、正社員は客先訪問を中心とした仕事となることが多く、記帳代行だけができるようになりたい場合は、そこまでの経験は必要ないかなと感じています。
個人的に経理ソフトを使用して実績とする
外で働けない状況の人には、経理ソフトを利用することがおすすめです。
freee会計
近くにフリーランスで申告をしている人がいたら、青色申告の帳簿付けを少し手伝わせてもらうのも良いのではないでしょうか。
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講座名 | 講義数 | 時間 |
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freee会計入門操作編 | 全11講義 | 1時間11分 |
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クラウド会計マネーフォワード | 全3講義 | 46分 |
クラウド会計勘定奉行 | 全4講義 | 1時間10分 |
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実務未経験者優遇の会計事務所を探す
会計事務所は人手不足なことが多く、実務未経験者OKの募集もよく見かけます。
ただし「在宅ワーク」で未経験となると、教育しにくいこともあり、どうしても限られてくる傾向にあります。
しかし、根気強く探せば見つかることもあります。
どうしても求人はタイミングによりますね……
勉強もしながら、焦らずに探していきましょう。
記帳代行の仕事はどこで探す?
正社員、パートタイム、在宅ワークと、働き方はさまざまなです。
記帳代行の仕事といっても、どのように働くかで探し方は異なります。
ここではパートタイムや在宅ワークで仕事したい人に向けて紹介していきます。
「記帳代行」などのキーワードで検索すると、多くはありませんが募集があります。
たまに、まったくない時もあります……
ほとんどが在宅での仕事です。
クラウドソーシングには、さまざまなクライアントさんがいます。固定単価ではなく、時給制の仕事を選ぶことをおすすめします。
できれば税理士や税理士法人、企業の経理部門など、発注に慣れているクライアントのお仕事を探すとよいでしょう。
メリット | デメリット |
---|---|
匿名で仕事ができる 初心者向けの求人がある 短時間の副業求人も多い | 手数料が高い 「記帳代行」だけを探すと案件は限られている 固定単価の依頼で報酬が低すぎるクライアントさんがいる 記帳代行の仕事に詳しくないクライアントさんがいる |
パートタイムの求人であれば、前述した4つの求人サイトもおすすめです。
上記は、在宅で長時間の求人を探すのに向いています。
メリット | デメリット |
---|---|
勤務時間が長い案件が多い(まとまった収入になる) 継続できる案件が多い | 選考過程でオンライン面談が必要なところがほとんど 短時間の案件が少なく、副業には向いていない 時間が拘束される案件も多い |
フリーランスで仕事をしていると、時間の融通が利く、何かあったら仕事をやめやすいといったメリットもあります。
一方で収入が安定しない、契約終了になりやすい面があるのが最大の難点です。
記帳代行の在宅ワークでは、まとまった収入が継続して得られやすい仕事であり、収入面では大きなメリットがあります。
しかし時間が拘束されるケースや、連絡は日中のみといった制限、選考過程もしっかり面談をするなど、パートタイムの働き方に似た側面もあります。
隙間時間を活用する副業には、向いていないと思われます。
そうは言っても短時間の求人もあるので、根気強く、希望の働き方を探してみてくださいね。
記帳代行に関するよくある質問
記帳代行に関するよくある質問をまとめました。
- 記帳代行は在宅ワークも可能?
-
可能です!むしろ在宅ワークの求人は多くあります。
単純作業を外注したい会計事務所は増えています。
実務経験があると有利なので、未経験者は「記帳代行の仕事を実務未経験の人が受注するコツ」の項目を確認してみてください。
在宅ワークをするには、パソコンを始めとしてネット環境、場合によってはウイルスソフトなども必要になります。環境を整えましょう。
私が在宅でしている仕事内容を最初の項目で紹介しているので、まだ読んでいない人は参考にしてみてください。
- 記帳代行は副業でも可能?
-
可能です!短時間の求人もあります。
しかし、数は少ないです。根気強く探すか、副業でやるにしてもある程度まとまった時間をとることがおすすめです。
ちなみに私はメインの仕事としてやっていて、少ない月は月70時間、多い時は150時間くらい働いています。
- 業務委託契約(フリーランス)と直接雇用(パートタイム)、どちらがよい?
-
どちらでもお好みで選ぶとよいと思います!
記帳代行の仕事はまとまった時間が必要なケースもあり、パートタイムのような直接雇用と比較して仕事をする条件があまり変わらないこともあります。
求人の中には、パートタイム契約だけど、在宅、リモートワーク可とするものもあります。
在宅ワークというと、業務委託契約(フリーランス)しかないと思いがちですが、例えば出勤日は少しにして残りは在宅といったパートタイムの働き方もあります。
特に実務経験者の人は需要があるため、まずはさまざなま求人を見てみましょう。
まとめ | 記帳代行は在宅でまとまった収入が欲しい人におすすめ
記帳代行はこんな人におすすめです。
- 簿記2級保有者、取得予定者
- 会計事務所実務経験者
- 経理実務経験者
- あまり話すことが得意ではない人
- 細かい数字をしっかり合わせることが好きな人
- 在宅でまとまった収入が欲しい人
特に在宅ワークを検討する場合、記帳代行の仕事はあまり選択肢に入ってこない傾向にあると感じているため、ぜひおすすめしたい仕事です。
安定した収入を継続して得られています。話すのが苦手なので助かってます!
記帳代行をするには簿記2級の知識はまず必須です。これから取得を検討する人は、下記記事も参考にしてみてください。